売る前にPCをリセット:Windowsノートの正しい初期化手順
Windowsのノートパソコンを売る前に中身を消すなら、ファイルをバックアップし、台数でライセンスを数えるアプリからサインアウトし、BitLocker回復キーを控えてから、設定 › システム › 回復 › PCをリセットするで「すべて削除する」を選び、「データの消去」をオンにします。リセットが終わったら、PCをMicrosoftアカウントから削除し、最初のセットアップ画面のまま買い手に渡します。
リセット自体はクリック1回で始まります。後悔しないかどうかを分けるのは、その前後の順番です。「すべて削除する」が始まると、このPCにしかなかった文書、Windows Helloにだけ保存したパスキー、このマシンに結び付いたライセンスは、取り戻すのがずっと難しくなります。以下ではその順番に沿って、各手順で何が変わるかを説明します。
このPCにしかないものをバックアップする
まず、ほかにコピーがないファイルから手を付けます。デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、ミュージック、ビデオがよくある置き場所ですが、ダウンロードしたファイル、ゲームのセーブデータ、プロジェクトのフォルダーはその外にあることがよくあります。
よく使われる方法は3つあります。
- OneDriveのフォルダーバックアップ。 Microsoftの説明では、デスクトップ、ドキュメント、ミュージック、ピクチャ、ビデオといった標準フォルダーをバックアップし、ほかのデバイスでも使えるようにする機能です。ファイルオンデマンドを使っている場合、オンラインのみと表示されたファイルはすでにクラウドにありますが、同期が終わっていないファイルはありません。タスクバーのOneDriveアイコンを開き、すべて最新の状態だと表示されるまで待ちます。
- ファイル履歴。 ライブラリをバックアップし、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、デスクトップを外付けドライブかネットワーク上の場所に保存します。ライブラリの外にあるフォルダーは、追加しない限り含まれません。
- 外付けドライブへの単純なコピー。 時間はかかりますが確認は簡単で、別のパソコンでドライブを開き、ファイルが開けることを確かめます。
システムの復元ポイントはここでは役に立ちません。これから消すドライブの中にあるからです。どのコピーが何を守っているのか迷ったら、Windowsの復元ポイントとバックアップがシステムの巻き戻しとファイルの回復を分けて説明しています。見落としやすい大きなフォルダーを探すなら、Windowsで大きなファイルを探すがディスクマップの見方を案内します。
パスワードを書き出し、パスキーの保存先を確かめる
ブラウザーがこのPCにだけパスワードを保存しているなら、先にエクスポートします。Microsoft EdgeでAlt + Fを押し、「パスワード」を開いて「パスワードのエクスポート」を選び、確認します。Microsoftは注意として、CSVは保護されておらず、ファイルを見られる人なら誰でも読めること、ほかの場所にインポートしたらShift + Deleteで削除することを挙げています。人に貸すかもしれないUSBメモリーにそのCSVを残さないでください。
パスキーは事情が違います。設定 › アカウント › パスキーを開くと、このデバイスに保存されたパスキーが見られます。Microsoftによると、古いデバイスにパスキーを保存していてそのデバイスを買い替えた場合は、新しくパスキーを追加する必要があります。リセットの前に、Windowsのパスキーで入っているサイトすべてに別のサインイン方法が残っているか確かめるか、先に新しいデバイスでパスキーを追加しておきます。
台数を数えるアプリからサインアウトする
1つの購入やサブスクリプションを使えるパソコンの台数を制限しているサービスはいくつもあります。古いPCでサインアウトすれば枠が空きますが、ドライブを消すだけでは空かないことが多いです。サービス側のリストにまだそのPCが残っているからです。
- Microsoft 365。 Officeには同時に5台のデバイスでサインインできます。Microsoftは、サインアウトするとアカウントのライセンスが外れ、アプリが非アクティブ化されるとしています。売るPCで、どれか1つのOfficeアプリからサインアウトします。
- Apple MusicアプリまたはApple TVアプリ。 Appleでは最大5台のコンピュータを認証できます。サイドバー下部の自分の名前をクリックし、「このコンピュータの認証を解除」を選んでサインインし、確認します。すでにPCを消してしまった場合、直す方法はアカウント設定の「すべてのコンピュータの認証を解除」だけで、Appleはこれを年に1回しか認めていません。
- Adobe、Steam、そのほか台数で管理するライセンス。 リセットの前に各アプリの中でサインアウトし、メーカーのアカウントページに認証済みデバイスの一覧がないか確認します。台数が決まったライセンスキーで買ったソフトウェアは、たいてい「バージョン情報」やライセンスの画面に無効化や解除の項目があります。
- Mole for Windows。 Windows版のライセンス1つで、同時に2台のPCを使えます。
Ctrl + Shift + Lでライセンスパネルを開き、「無効化」を選びます。Moleは、これでライセンス枠が1つ空き、同じキーで後から再有効化できると説明します。古いPCがもう手元にない場合は、WindowsのヘルプページがDodo Paymentsのカスタマーポータルを案内しており、新しいPCのライセンスパネルにあるデバイス一覧から古い項目を無効化することもできます。
いまやれば1つのアプリにつき1分で済みます。リセットのあとだと、たいていサポートへの問い合わせになります。
暗号化を確認し、回復キーを保存する
Windows 11のPCは、誰も設定していないのに暗号化されていることがよくあります。Microsoftの説明では、Microsoftアカウントか職場または学校のアカウントで初めてデバイスをセットアップすると、デバイスの暗号化がオンになり、回復キーがそのアカウントに結び付けられます。設定 › プライバシーとセキュリティ › デバイスの暗号化でスイッチを確認するか、管理者として開いたターミナルで次を実行します。
manage-bde -status C:
manage-bde -statusは、ドライブの変換状態、暗号化された割合、保護状態を表示します。
暗号化はリセットに2つの点で関わります。1つ目に、リセットのガイドは、デバイスが暗号化されているならBitLocker回復キーを手元に用意するよう求めており、Windows回復環境からリセットするときにはこのキーが必要です。キーは別のデバイスからhttps://aka.ms/myrecoverykeyで調べられます。ほかの人がPCをセットアップした場合、キーはその人のアカウントにあるかもしれません。2つ目に、暗号化されたドライブに書き込まれたものはすべて暗号化されて保存されているので、暗号化に加えて「データの消去」付きでリセットすれば、暗号化されていないドライブをリセットした場合よりも読み取れるデータはずっと少なくなります。
暗号化がオフでスイッチが使えるなら、オンにして完了を待ってからリセットしてもかまいません。中身が多いドライブでは時間がかかるので、充電器をつないでおきます。
正しいオプションで「このPCをリセット」を実行する
回復のページを直接開きます。
start ms-settings:recovery
「回復オプション」で「PCをリセットする」を選びます。Windows 10では設定 › 更新とセキュリティ › 回復を開き、「このPCを初期状態に戻す」の「開始する」を選びます。作業中はずっとノートパソコンをACアダプターにつないでおきます。
| 選択肢 | Microsoftの説明 | 売るPCでは |
|---|---|---|
| ファイルを保持する | Windowsを再インストールし、アプリと設定を削除し、文書と写真は残す | 誤り。ファイルがドライブに残る |
| すべて削除する | Windowsを再インストールし、個人用ファイル、アプリ、設定をすべて削除する | これを選ぶ |
| データの消去(「すべて削除する」の中) | ファイルを削除してドライブを消去し、削除したファイルを復元しにくくする | オンにする |
| クラウドダウンロード | 最新の更新を含むWindowsの新しいコピーをダウンロードする | ローカルのシステムファイルが壊れているときに向く |
| ローカル再インストール | PCにすでにあるファイルを使う。最新の更新は含まれない場合がある | 回線が遅いときに速い |
どちらのインストール元でも、最後は同じクリーンなWindowsになります。システムに問題が出ていたPCならクラウドダウンロード、回線が遅いならローカル再インストールを選びます。確定する前に、リセット設定の概要で「データの消去」がオンになっていることを確認してください。オフのままだとファイルは削除されますが、ドライブは消去されません。
かかる時間はドライブ次第です。Microsoftは、画面が長いあいだ、ときには15分以上黒いままになることがあり、PCが自分で再起動する場合もあると注意しています。この間に手動で再起動するとリセットが失敗するおそれがあります。「データの消去」をオンにすると時間がかかる場合があるともしています。ノートパソコンを電源につないだまま長時間触らずに置いておけるときに始めます。
リセットでできないこと
リセットは一般ユーザー向けの道具で、限界ははっきりしています。
- 認定されたデータ消去ではありません。 Microsoftは、データ消去機能は一般消費者向けであり、政府や業界のデータ消去基準を満たしていないと明記しています。勤務先や規制が特定の基準を指定しているなら、その手順に従ってください。
- ファームウェアのパスワードには触れません。 PCのUEFIやBIOSのセットアップで設定したパスワードはリセット後も残ります。セットアップユーティリティで外しておかないと、買い手が起動設定を変えられません。
- Windowsのライセンス認証は外れません。 Microsoftによると、デジタルライセンスはハードウェアに関連付けられており、デジタルライセンスがあれば同じエディションを再インストールでき、インストール後にWindowsが自動でオンライン認証されます。Windowsがプリインストールされて出荷されたPCは次の持ち主のもとでも認証されたままで、何かを渡す必要はありません。
- PCはMicrosoftアカウントから外れません。 これはWeb上の別の手順で、次で説明します。
- クラウド上のサービスからはサインアウトされません。 メーカー側で台数を数えるライセンスは、前の節のとおりサインアウトするまで数え続けます。
アカウントからPCを削除し、セットアップ画面で止める
Microsoft自身のWindows PCを売る前のチェックリストは、バックアップ、リセット、アカウントからのデバイス削除という順番です。リセットが終わったら、別のデバイスで次を行います。
https://account.microsoft.com/devicesを開いてサインインします。- PCを見つけて「詳細を表示」を選び、その他の操作 › 削除を選びます。
- 「このデバイスを削除する準備ができました」にチェックを入れ、「削除」を選びます。
- 必要なら「リンク解除」を選ぶと、そのPCはMicrosoft Storeのデバイス上限に数えられなくなります。
「デバイスの検索」もMicrosoftアカウントを通じて動きます。リセット前にオフにしたいなら、次で開きます。
start ms-settings:findmydevice
リセットが終わると、PCは再起動して最初のセットアップ画面、つまり国または地域を尋ねる画面になります。そこで止めてください。うまくいったか確かめようと自分のアカウントでサインインすると、PCがまたあなたに結び付き、新しいデータもできてしまいます。電源ボタンを長押しして電源を切れば、買い手はこの同じ画面から自分のアカウントを作って始めます。
Moleの役割
Moleはドライブを消去せず、Windowsのリセットもしません。上の手順はすべてWindowsの設定と自分のアカウントで行います。Moleが役立つのは準備の段階で、「分析」はCドライブのどのフォルダーにいちばんデータがあるかを表示するので、消す前に何をバックアップするか決められます。ライセンスパネル(Ctrl + Shift + L)ではこのPCを無効化して、枠を次のPCに移せます。
Windowsのヘルプページは、古いPCがもう手元にない場合も含めて、PC間でライセンスを移す方法を説明しています。
よくある質問
「このPCをリセット」ですべて削除されますか?
「すべて削除する」を選ぶと、Windowsを再インストールし、個人用ファイル、アプリ、設定を削除します。「データの消去」をオンにすると、削除したファイルを復元しにくくするためにドライブも消去しますが、Microsoftは政府や業界の消去基準は満たさないとしています。
買い手にWindowsのプロダクトキーは必要ですか?
通常は不要です。Microsoftによると、デジタルライセンスはハードウェアに関連付けられており、そのPCで再インストールすれば同じエディションが自動でオンライン認証されます。
クラウドダウンロードとローカル再インストールのどちらを選べばいいですか?
売る目的ならどちらでも大丈夫です。クラウドダウンロードは最新の更新を含む新しいコピーを取得し、ローカル再インストールはPCにすでにあるファイルを使うので、回線が遅いときは速く終わります。
Windows 11の初期化にはどのくらいかかりますか?
ドライブと選んだオプションによって変わり、「データの消去」をオンにすると長くなります。画面が黒いままでも自分でPCを再起動しないでください。Microsoftは、それがリセットの失敗につながるおそれがあるとしています。