Windows 11でCPU温度を確認する方法と数値の見方
Windows 11にはCPU温度を表示する機能がありません。タスク マネージャーで見られるのはCPUの使用率と速度で、温度が名前の横に出るのは、ドライバーが十分に新しい専用GPUだけです。WindowsでCPU温度を確認するには、PCのファームウェア設定、PCメーカーが提供するアプリ、またはCPUメーカー自身のツールで読み取り、その数値をフォーラムで見かけた数字ではなく、そのプロセッサーの公表上限と比べます。
数値だけではあまり多くはわかりません。長いエクスポート中にCPUが上限近くで動いていても設計どおりの場合がありますし、逆にアイドル時の低い数値がじわじわ上がり続けるなら、通気口のふさがりを疑えます。役に立つのは、繰り返せる作業で温度を読み、チップの仕様と比べ、条件を一つずつ変える習慣です。
タスク マネージャーでわかること、わからないこと
Ctrl + Shift + Escを押して[パフォーマンス]を開きます。CPUのページには使用率、速度、コア数が出ますが、温度はありません。
GPUのページは事情が違います。MicrosoftはWindows 10 Insider Preview Build 18963でこの機能を追加した際、専用GPUカードがあれば[パフォーマンス]タブの一覧で名前の横に現在の温度が表示され、それにはWDDM 2.4以降に対応したグラフィックス ドライバーが必要だと説明しています。同じ記事に確認方法もあり、Win + Rを押してdxdiagを実行し、[ディスプレイ]タブの[ドライバー モデル]を見ます。
dxdiag
この値はドライバーから来ています。Microsoftのドライバー ドキュメントにあるD3DKMT_ADAPTER_PERFDATAにはTemperatureフィールドがあり、メインの温度センサーの値を0.1 °C単位で表すと書かれています。ドライバーがここを空にしていれば、タスク マネージャーには表示するものがありません。内蔵グラフィックスでは温度がまったく出ないことが多く、GPUの温度が見当たらないのはよくあることで、どこかが壊れているわけではありません。
GPUの温度はCPUの代わりにもなりません。ノートPCでは両者がヒートパイプとファンを共有していることが多く、一緒に上がりがちですが、上限もセンサーもそれぞれ別です。
ファームウェア設定とPCメーカーのアプリ
デスクトップのマザーボードの多くや多くのノートPCは、ファームウェア設定のどこかでCPUセンサーの値を見せています。hardware monitorやPC healthといった名前のページにあることがよくあります。Windowsからそこへ行く手順は、MicrosoftのWindows 11とセキュア ブートのページにあります。設定 › システム › 回復 で[PCの起動をカスタマイズする]の横の[今すぐ再起動]を選び、トラブルシューティング › 詳細オプション › UEFIファームウェアの設定 に進みます。
これはモニタリングではなく、一回の読み取りと考えてください。PCはファームウェア上にいてWindowsは動いていないので、見えるのはアイドルに近い温度で、実際の作業でチップがどう振る舞うかはわかりません。見て、数値を書き留め、見覚えのない設定は変えずに抜けましょう。
ノートPCやメーカー製デスクトップには、温度、ファンの状態、冷却やパフォーマンスのプロファイルを表示する独自アプリが付いていることがよくあります。名前や機能はブランドや機種によって違い、何も表示しない機種もあります。汎用的な記事ではなく自分の正確な機種のサポート ページを確認し、アプリはメーカーのサイトか、そこからリンクされているMicrosoft Storeのページから入手してください。ここで数値を一度も見ないとしても、こうしたアプリの存在は知っておく価値があります。パフォーマンス プロファイルによってCPUの発熱が変わるからです。
CPUメーカーのツール:AMD Ryzen MasterとIntel XTU
AMDはAMD Ryzen Masterについて、コアごとのクロック、温度、電圧を平均値やピーク値を含めてリアルタイムで監視できると説明しています。同じページにはRyzen 5000シリーズ以降用と、それより古い世代用のダウンロードが別々にあるので、自分のプロセッサーに合うものを選びます。Ryzen Masterの大部分はチューニング用です。AMDの脚注には、オーバークロックによる損傷は保証の対象外であること、Precision Boost Overdriveはプロセッサーを仕様外で動作させることが書かれています。温度の確認に必要なのはモニタリング画面だけなので、チューニング関連の操作には触れないでください。
IntelのExtreme Tuning Utilityガイドによると、XTUには温度監視機能が組み込まれていて、危険なレベルに達したときやサーマル スロットリングなどの保護機能が働いたときに知らせてくれます。同時に、XTUには対応するアンロック版プロセッサーとオーバークロック対応のマザーボードが必要だとも書かれています。IntelのノートPCやロックされたデスクトップ向けチップの多くは該当しないので、そうしたPCではメーカーのアプリかファームウェアが現実的な読み取り元になります。
Intel自身の温度に関する記事には、多くのサードパーティ製ユーティリティがプロセッサー ダイ上のデジタル温度センサーを読み取れるとも書かれています。使う場合は開発元のサイトからダウンロードし、読み取り専用のツールとして扱ってください。
数値の意味
どのCPUにも最大ジャンクション温度があり、TjmaxやTjunction maxと書かれることがよくあります。Intelによると、これは内部の制御が電力を下げて温度を抑える前にプロセッサーが許容する最高温度で、上限は製品ごとに異なり、通常は100°Cから110°Cの間、スロットリングが始まる温度もプロセッサーやBIOSの設定によって変わることがあります。スロットリングでもプロセッサーを守れない場合は、恒久的な損傷を防ぐためにシャットダウンします。正確な値はark.intel.comのそのプロセッサーのページにあるPackage Specificationsで確認できます。
AMDは同じ数値を各製品ページにMax. Operating Temperature (Tjmax)として載せています。たとえばRyzen 7 9700Xのページでは95°Cです。ほかのモデルは値が違うので、正式なモデル名で調べてください。モデル名はタスク マネージャーのCPUページの右上に表示されています。
自分の数値を読むときに役立つポイントが三つあります。
- 高負荷時に上限近くなるのは、それだけでは故障ではありません。 Intelの説明では、上限に近づいたプロセッサーは周波数と電力を下げて自分を守るスロットリングを行うので、熱くなることの代償はふつう損傷ではなくクロックの低下です。
- Intelは標準的な温度範囲を公表していません。 同社の記事には、プロセッサーやコアごとの標準的な動作範囲は提供していないとあります。ネットで見かける「正常なアイドル温度」はクーラー、ケース、室温、電源プロファイルに左右されるので、自分のベースラインと比べてください。
- 短いスパイクは想定内です。 アプリを開く、ブラウザーのタブを読み込む、バックグラウンドで更新が走るといったことで、一つのコアが1、2秒熱くなることがあります。大事なのは作業中に続く数値と、同時にタスク マネージャーのCPU速度がいつもより大きく下がっていないかです。
一定の負荷でテストして比べる
適当なタイミングで一回読んだだけでは、あまり多くはわかりません。小さくて繰り返せる比較を組み立てましょう。
- 実際に行っていて繰り返せる作業を選びます。同じ動画の書き出し、同じプロジェクトのビルド、ゲームの同じシーンなどです。かかった時間をメモします。
- 条件を固定します。同じ電源(電源接続かバッテリーか)、同じ電源モード、同じ置き場所、同じくらいの室温です。
- 温度を読むツールとタスク マネージャーのパフォーマンス › CPUページを並べて開きます。数分静かにさせてからアイドル温度をメモし、作業がしばらく続いたあとの安定した値と、その時点のCPU速度をメモします。
- PCを冷まし、一つだけ変えて、もう一度作業を実行します。
2回目が同じ温度でより速く終わる、または同じ時間でより低い温度で動くなら、その変更は効いています。温度がチップの上限に張り付いたまま速度が落ち、作業が以前より明らかに長くかかるなら、冷却がボトルネックです。温度は高いのにCPU使用率が低い場合は、まず何が動いているかを探してください。CPU使用率が高いときのガイドで、合計が低く見えても一つのスレッドだけが忙しいケースを含めて扱っています。
対処すべきとき
いつもの作業での安定した温度がプロセッサーの上限に達して性能も一緒に落ちるとき、アイドル時の値が以前のベースラインより上がってきたとき、または負荷をかけるとPCがシャットダウンするときは対処しましょう。まずは道具なしで確認できることから始めます。
- 通気口と置き場所。 PCは硬くて平らな面で使い、吸気口と排気口をふさがないようにします。通気口やファンのほこりはゆっくりたまるので、自分の過去の数値と比べることに意味があります。掃除はその機種向けのメーカーの手順に従ってください。
- 電源モード。 Windows 11では設定 › システム › 電源とバッテリー › 電源モードで設定し、電源接続時とバッテリー駆動時で別々に、最適な電力効率、バランス、最適なパフォーマンスから選べます。Microsoftの電源モードのガイドによると、変更できない場合はカスタムの電源プランが選ばれている可能性があり、コントロール パネル › システムとセキュリティ › 電源オプションで[バランス]に切り替えると操作できるようになります。最適なパフォーマンスはふつう、速さと引き換えに熱く、うるさくなります。
- メーカーのプロファイル。 メーカーのアプリに独自の冷却やパフォーマンスのプロファイルがあるなら、変える前に今の設定をメモし、Windowsの電源モードとは別々に変えて、どちらが効いたのかわかるようにします。
- バックグラウンドの処理。 セットアップ直後や大きな更新のあとは、更新、同期、インデックス作成でしばらくCPUが温かいままになることがあります。使っていないときもPCが温かいなら、一日中動いているスタートアップ アプリを見直す価値があります。
ファンの音、充電中の発熱、メーカーに連絡すべきタイミングについては、WindowsノートPCの過熱を参照してください。そちらは対処の側を扱い、この記事は信頼できる数値を得ることに絞っています。
Moleの役割
Mole for WindowsはCPU温度を表示しません。Windowsはカーネル ドライバーを入れない限り通常のアプリにCPUセンサーを渡さず、Moleはそうしたドライバーを入れないので、CPUタイルには代わりに使用率、現在のクロック速度、コアごとの動作を表示します。
[ステータス]ページには、Windowsが追加のドライバーなしで報告する二つの温度を示す[温度]タイルがあります。対応するドライバーが提供するGPUの温度と、システム ドライブ自身の温度です。タイルは両方を並べて5分間のグラフとピークを表示し、ドライブが自身の警告しきい値を超えたときだけ[高温]に変わります。どちらも報告しないPCでは、この枠は代わりに[ディスク動作]を表示します。上の比較を行うときは、CPUタイルとプロセス一覧で何がプロセッサーを忙しくさせているかを確認してください。プロセス一覧についてはヘルプのステータスの項で説明しています。
よくある質問
タスク マネージャーにGPUの温度は出るのに、CPUの温度が出ないのはなぜですか?
GPUの値はグラフィックス ドライバーから来ていて、MicrosoftがWDDM 2.4以降のドライバーを使う専用GPU向けにタスク マネージャーに追加したものです。タスク マネージャーにはCPU用の同等の表示がないので、CPU温度はファームウェア設定、PCメーカーのアプリ、CPUメーカーのツールで確認します。
CPU温度は何度から高すぎますか?
自分のプロセッサーの上限と比べてください。Intelはark.intel.comにTjunctionを、AMDは各製品ページにMax. Operating Temperature (Tjmax)を載せています。高負荷時に上限に達すると損傷ではなくスロットリングが起きますが、軽い作業中に達する場合や、いつものベースラインから着実に上がっている場合は調べる価値があります。
一瞬だけ数値が跳ね上がるのは問題ですか?
いいえ。アプリの起動やページの読み込みで、コアは短時間熱くなります。繰り返せる作業中に続く温度を、CPU速度と合わせて判断してください。
Mole for WindowsでCPU温度を表示できますか?
いいえ。Mole for WindowsはCPUの使用率と速度を表示し、[温度]タイルは対応するPCでのみGPUとシステム ドライブの温度を表示します。